地域医学推進 / 研究マインド育成
地域医療の実践を学ぶ多彩なプログラム
医学教育センター医学部領域
地域医学推進室
日本国内には過疎化や高齢化の影響により、医師不足に陥っている地域が数多く存在します。そのような状況を改善するため、日常的な健康の保持から病気の治療まで幅広く地域の保健・医療に貢献する専門職の育成や、住民との連携による地域密着型の医療の提供が急務です。本学では、学生一人ひとりが地域に根ざした医療を実践する医師へ成長できるように多彩な教育プログラムを用意。特に埼玉県地域枠医学生には、地域医療に関する講演会や医療機関の見学など、多様な体験の機会を設けています。
地域で学ぶプログラム
将来地域に貢献できる医師を育むために、初年次からさまざまな教育プログラムを展開しています。例えば1年から4年までの4年間受講する「地域医療とチーム医療」は、地域社会における健康関連の諸問題に目を向け、他の専門職との連携や地域医療の重要性について学ぶユニットです。地域で求められる医師像に対する具体的なイメージを醸成するために地域医療の実践家による講義も開催し、社会科学的、予防医学的な心を育むとともに、地域医療に貢献できる臨床医となるための土台を築きます。また、選択必修「地域医学・医療学入門」では身近な地域を対象に、人口・文化・伝統、経済、教育、保健医療システムなどの多角的な視点から地域診断を実施。医師が地域を知る重要性を体験的に学ぶことができます。他にも、小中学校教育体験実習や地域医療実習などの「地域で学ぶ」多彩な取り組みを通して、地域医療の素養を養います。
IPW実習
県内の4大学(埼玉県立大学、城西大学、日本工業大学、本学)が合同で、専門職連携(IPW:Interprofessional Work)に関する実習を実施。4年次の導入クリニカル・クラークシップ(地域医療実習)や課外学習プログラムの実習を通して、医師や看護師、薬剤師、建築士といった各専門職への理解を深めます。さらに、各々の強みを生かして地域住民の質の高い暮らしを実現するため、必要な連携の方法を探ります。
埼玉県地域枠プログラム
将来埼玉県の地域医療に貢献する意欲のある学生に対して、「埼玉県地域枠プログラム」を設けています。本プログラムに参加する学生は、病院見学や学習会、自治医科大学学生との夏期研修への参加などを通して、埼玉県の地域に対する理解を深めるとともに郷土愛を育み、地域医療の実践に欠かせないマインドを身に付けます。
研究マインド育成
進展を続ける医療現場では、医学の発展を前向きな姿勢で捉え、常に自らの知識や技術を磨こうとする研究マインドが求められています。本学では医学研究への志向及びその重要性を一人ひとりに浸透させるため、「研究マインド育成室」を設置。学生が早期から研究活動に触れる機会を提供し、研究マインドの涵養に努めています。
研究を進めるためのPOINT
1研究マインドを育む
今では当たり前になっている医学知識や技術も、最初はひとつの発見から始まったはずです。本学では、新しい医学的な発見や工夫に挑戦しようとする学生の意欲を大切にし、それを育てる機会を設けています。
2身近な教員に研究について相談する
「師弟同行」という本学の建学の理念にあるように、教員と学生が共に考え、学びを進めていく風土があります。講義や実習に関することはもちろん、興味関心をもった事象などについていつでも相談できる環境が整っています。
3まず研究を始めてみる
研究活動の第一歩として「課外学習プログラム」を用意しています。当プログラムは学生が選択したテーマに沿って、医療の現場、医学研究、医療従事者の日常を体験できるものです。研究を進める中でさらに踏み込んだサポートも必要に応じて行います。
4研究医養成プログラムの活用
選考制で3年から実施される「研究医養成プログラム」では、研究マインドの向上のため、有識者による特別講演会や海外研究室の見学などさまざまな取り組みを実施。学生自らが主体的に考えながら興味を探求できる仕組みを整えています。
5学生による研究発表会
毎年秋に全学行事として「学生による研究発表会」を開催し、学生の研究成果を発表する場を設けています。優れた研究発表は学長から表彰されるなど、研究に向かうモチベーションを高める機会になっています。