
「師弟同行」の学びがもたらした脳神経外科医への夢。 患者さんの心を受け止め、繊細な手術に挑み続ける。
二人の恩師が照らしてくれた道。
生命の神秘に惹かれて脳神経外科へ。
脳神経外科医として、手術やその前後の患者さんの処置、外来診療を担当しています。中でも専門は、てんかんやパーキンソン病、顔面けいれんなどに対する機能的脳神経外科手術です。
そもそも私が脳神経外科医を志したのは、埼玉医科大学で受けた講義がきっかけでした。1年次の解剖学で元脳神経外科医の先生から手渡されたのは、ヒトの頭蓋骨。 脳の神経がその骨を突き抜けて顔にまで張り巡らされると知り、一気に好奇心を掻き立てられました。さらに、4年次の脳外科の講義では、別の先生から脳神経を操作する手術の映像を見せてもらうことに。透き通った髄液に浮かぶベージュの脳神経はとても美しく、これまで学んだ知識が生身の人体にあるのだと実感しました。この景色を一生見ていたいと思い、 その後は脳神経外科医になるための勉強に没頭。生涯を捧げるほど好きなことを発見できたのは、大学で出会った先生方が興味を引き出してくれたおかげです。
医師として働く今も、本学ならではの教育熱心な風土をとても頼もしく感じています。私自身も学んできた知識を後輩に還元したいと思い、現在は病院勤務と並行して大学の講義や実習指導に携わっています。
女性医師の活躍を支える体制の下、
患者さんに寄り添い最先端の医療を届ける。
脳は部位によってつかさどる領域が全く違います。手術で1ミリメートルでも切る位置を間違えれば、合併症を引き起こしかねません。だからこそ重要なのは、術前の慎重な検査と判断です。先日、てんかんの小児患者さんを検査するため、脳波を測る電極を頭蓋内に埋め込む手術を行いました。精密な検査によって原因となる部位を取り除くことに成功し、患者さんが退院した時は、涙が出るほど嬉しかったです。
脳神経外科医として12年目を迎えた今、ここまで邁進できたのは、女性の活躍を応援する体制があったからだと実感しています。初期臨床研修を終えた女性医師は、専門医研修と結婚・出産のタイミングが重なって悩むことが少なくありません。私は理解ある上司と柔軟に働ける勤務制度のおかげで、着実にキャリアを築くことができました。

埼玉医科大学 埼玉医科大学病院 脳神経外科 平田 幸子 先生
大学在学中に脳神経外科医を志し、卒業後はさまざまな病院で脳外科手術を経験。
卒後6年目に脳神経外科の専門医資格を取得し、その後はてんかんの専門医資格や医学博士なども取得。
2022年より講師として、学生の指導にも力を注ぐ。






